【自治体インタビュー】ふるさと納税をきっかけに、新たな賑わいをみせる「宮城県名取市」│名取市長に聞くふるさと納税の本来の意義とは。

2017 / 12 / 11
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平成20年度の税制改正によって導入された「ふるさと納税制度」が、もうすぐ10年を迎えようとしています。

現在では多くの人に活用されているふるさと納税ですが、実はこうした状況は近年になってからのものです。
導入当初は極めて認知度の低かった「ふるさと納税制度」が、広く注目を浴びるきっかけになったのは、2011年に起こった東日本大震災です。
東北地方を中心とする都道府県、市町村が大きな被害を受け、そこで、全国から多数の支援、寄附が集められました。このとき「被災地を支援したい」「ふるさとを応援したい」という気持ちで活用されたのが、ふるさと納税だったのです。

しかし昨今、「寄附」「応援」という意識よりも先に、返礼品の「お得さ」から納税先を選択するような、いわゆる”返礼品競争化”といった風潮もあり、2017年4月、総務省から地方自治体に対して、返礼品の還元率を3割以内に収めるようにとの通達があったことも、多くのメディアで取り上げられました。

「ふるさと納税」の本質的な意義とは?
この制度が継続・発展していくためには何が必要なのか?

10年という節目を迎えるにあたり、いま一度、ふるさと納税のあるべき姿を考えてみたい。

そんな思いから、SOTOday編集部では全国の自治体に「自治体が考えるふるさと納税」をテーマにインタビューを行い、思いや未来についてお話しを伺ってきました。

【ふるさと納税インタビュー】第4回 宮城県名取市 山田司郎市長

第4回目インタビューは、「住みよさランキング」北海道・東北地区7回連続第1位の歴史のある食と文化のまち「宮城県名取市」。山田司郎市長にふるさと納税の新しい取り組みについて伺いました。

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-SOTOday取材班
名取市では、ふるさと納税についてどのような取り組みを行っていますか?

-山田市長
名取市では現在、サイクルスポーツセンター再建プロジェクトとして、クラウドファンディングに取り組んでいます。この取り組みは、名取市全体が一丸となって力を入れている大きなプロジェクトになります。

サイクルスポーツセンター再建プロジェクトとは?


▼サイクルスポーツセンター再建プロジェクト概要名取市の中でも、震災で大きな被害を受けた閖上(ゆりあげ)地区に賑わいを取り戻すために、サイクルスポーツセンターを再建するとともに、天然温泉施設を整備。温泉掘削の費用にあてるため、ふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングにより寄附金の募集を行うプロジェクト。

完成予定は平成32年を目標にしています。完成したときここ閖上地区は新しい観光地になると考えています。
目玉となるのが、以下の3点です。

1. 閖上から生み出す天然温泉施設

熊野那智神社からの景色

壮大な景色が楽しめる温泉がおすすめです!露天風呂からは、右手に壮大な太平洋、左手に蔵王の美しい山並みが一望できます。サイクリングで汗を流した後は、温泉を楽しむことができます。※温泉は現在掘削中です。

2. 駅・空港からのアクセス良好な交通拠点

仙台駅・仙台空港からもアクセスが良い閖上地区は、観光客の方が集まる拠点になると考えています。

さらに閖上地区には、自然を楽しみながら旅することができる「みちのく潮風トレイル」の本部が建設予定です。青森県八戸市から、福島県相馬市まで続く700km以上の道のりは、日本最長のロングトレイルとなる見込みです!

3. 獲れたて出来立て特産品がすぐに食べれる!賑わい市場

閖上地区は、水産加工が盛んな地区です。閖上の赤貝は、寿司に、刺身に、全国に名を馳せる高級食材として評価されています。日曜日には、早朝から採れたての野菜や新鮮な海の幸、地場産品が勢揃いするゆりあげ港朝市が開催されるので上質な赤貝を食べることができます!
9月に開催されたしらす祭りも好評で、新しい閖上の特産品として発信していきたいと考えています。ゆりあげ港朝市の様子を動画でご紹介!

-SOTOday取材班
自然、食、癒しとたくさんの楽しみ方ができる観光地になりそうですね。平成32年までの完成まで待ち遠しいです。
実際のふるさと納税クラウドファンディングの反応はいかがでしょうか。

-山田市長
皆様のご寄附により、目標金額1千万円は達成しました。ありがとうございます。現状は、まだご支援を受け付け、12月31日までの延長となりました。こちらの想像以上に、皆様にご支援いただいたと実感しています。

今回、クラウドファンディングというふるさと納税の制度を使い、復興というキーワードを改めて思い出してもらえるきっかけができたのではないかと考えています。

東日本大震災から6年経ちますが、ここ閖上地区はまだ復興とは言いがたい状況です。全国の皆さんにも閖上の現状を知って欲しい、そんな思いを知ってもらう手段としてふるさと納税があってもいいのではないでしょうか。

-SOTOday取材班
ありがとうございます。最後に、ふるさと納税の制度について今後の展望お聞かせください。

-山田市長
ふるさと納税の制度は今後もあり続けて欲しいと思っています。
地域の活性化、持続可能なまちにしていくことができる制度、それがふるさと納税だと信じています。

そして一番伝えたいことは、
どんな思いで取り組んでいるかを知って欲しい。

返礼品目当てになってしまっている現状ですが、
「応援したい」という皆さんの気持ちがあると私は信じています。

そのためにも、情報発信をしていかなければならない。
それが自治体の今後の使命です。

名取市ふるさと納税について詳しくはこちら
クラウドファンディングについて詳しくはこちら

編集後記

インタビュー後、SOTOday編集部は閖上地区に訪れました。
閖上地区の現状を目の当たりにして、「復興」という言葉をしっかりと理解しきれてなかったと反省しました。6年経った今も、仮設住宅で生活をされている方、町を再建するために道路工事をしている方、特産品である水産加工を行っている方。閖上地区には「復興」という目標に対してたくさんの方が携わっている改めて実感しました。

「情報発信をしていかなければならない。それが自治体の今後の使命です。」
山田市長のおっしゃる通り情報発信はもちろん重要です。ただ、受け取る側の意識の見直しも必要なのではないかと改めて感じました。
ふるさと納税は、市町村の取り組みや、活動を応援するための寄附です。どんな町なのか?どんなことに取り組んでいるのか?理解した上で、寄附する。そんな意識を持った人が少しでも増えて欲しいと願います。

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